「週刊少年ジャンプ」の看板作品として長年愛され、空知英秋氏による独特のユーモアと熱い人情ドラマで多くのファンを魅了してきた『銀魂』。2017年には小栗旬主演、福田雄一監督によってまさかの実写映画化され、その年の実写邦画No.1の大ヒットを記録しました。
しかし、ネット検索で『映画 銀魂』と打ち込むと、サジェストに現れるのは「ひどい」という不穏なワード。大ヒットしたはずなのに、なぜ「ひどい」と言われるのでしょうか? 実はこの「ひどい」という評価には、『銀魂』特有の「愛のある褒め言葉」としての側面と、実写化ならではの賛否両論の両方が含まれているのです。
原作ファンも、これから初めて観るという方も、この「規格外」の映画を楽しむためには、その評判の真相と、物語の背景にある設定を知っておくことが重要です。
この記事では、映画『銀魂』がなぜ「ひどい」と言われるのか、その真相を徹底解剖するとともに、今すぐ視聴できる動画配信サービスの情報、そして物語の鍵となる「廃刀令」や「アマント」といった世界観の解説まで、作品を120%楽しむための情報を網羅しました。
さあ、侍の魂を持った男・坂田銀時とその仲間たちが繰り広げる、笑いあり涙ありの大活劇の世界へ足を踏み入れてみましょう。
- 銀魂が「ひどい」と言われる真相とその内容
- 銀魂映画シリーズが見られる配信サービス
- 映画のあらすじと見どころ
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映画『銀魂』の作品概要
2017年に公開され、まさかの大ヒットを記録した実写版『銀魂』。原作の持つ「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」という破天荒な世界観を、豪華キャストと福田雄一監督のタッグで再現した話題作です。まずはその基本情報から見ていきましょう。
基本情報
本作は、空知英秋氏の人気漫画を原作に、「勇者ヨシヒコ」シリーズなどで知られるコメディの名手・福田雄一氏が監督・脚本を務めました。豪華俳優陣が「そこまでやるか」というほど体を張った演技を見せることでも話題となりました。
- タイトル:銀魂
- 公 開:2017年7月14日
- 原 作:空知英秋「銀魂」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
- 監 督:福田雄一(脚本も)
- 製 作:
- 映画「銀魂」製作委員会
- プラスディー
- 配 給:ワーナー・ブラザース映画
- 主 題 歌:UVERworld「DECIDED」
- 興行収入:38.4億円
- 評 価:Filmarks 3.5点(5点満点)
主な登場人物
本作の最大の魅力の一つは、原作キャラクターのビジュアルや雰囲気を極限まで再現した豪華キャスト陣です。
- 坂田 銀時(さかた ぎんとき / 小栗旬):
- 主人公。かつて「白夜叉」と恐れられた伝説の侍だが、現在は無気力で甘党な「万事屋」の店主。
- 志村 新八(しむら しんぱち / 菅田将暉):
- 廃刀令で廃れた剣術道場の息子。銀時の元で働くツッコミ役。メガネが本体といわれることも。
- 神楽(かぐら / 橋本環奈):
- 宇宙最強の戦闘種族「夜兎族」の少女。万事屋に居候中。大食いで毒舌。
- 桂 小太郎(かつら こたろう / 岡田将生):
- 銀時の幼馴染で、幕府転覆を狙う攘夷志士のリーダー。ペットのエリザベスと行動する。
- 志村妙(しむら たえ / 長澤まさみ):
- 新八の姉。美しきキャバ嬢だが、料理の腕は壊滅的で腕っぷしが強い。
- 近藤 勲(こんどう いさお / 中村勘九郎):
- 真選組局長。お妙にストーカー行為を働くが、部下からの信頼は厚い。
- 土方 十四郎(ひじかた とうしろう / 柳楽優弥):
- 真選組副長。「鬼の副長」と呼ばれるクールな切れ者だが、極度のマヨラー。
- 沖田 総悟(おきた そうご / 吉沢亮):
- 真選組一番隊隊長。爽やかな外見とは裏腹に腹黒いドS。
- 岡田似蔵(おかだ にぞう / 新井浩文)
- 人斬り・似蔵。妖刀(?)紅桜を身につけてしまった…。
- 高杉 晋助(たかすぎ しんすけ / 堂本剛):
- 過激派攘夷浪士集団「鬼兵隊」の総督。銀時の元盟友であり、最強の敵。
- 平賀源外(ひらが げんがい / ムロツヨシ):
- 江戸一番の発明家。銀時の頼みで様々なからくりを作る。
あらすじ
物語は、原作漫画でも人気の高い「カブト狩り」のエピソードから始まり、シリアスな長編「紅桜篇」へと展開していきます。
- 【起】
- 舞台は、宇宙からやってきた「天人(アマント)」の襲来により、侍が衰退した江戸・かぶき町。
- 便利屋「万事屋銀ちゃん」を営む坂田銀時(小栗旬)、志村新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)の三人は、家賃を払うお金もなく、テレビで見た「カブト虫狩り」で一攫千金を狙って森へ出かけます。
- そこで真選組の近藤勲(中村勘九郎)らと鉢合わせし、ふざけた騒動を繰り広げるなど、いつものドタバタな日常を送っていました。
- 【承】
- しかし、江戸の町ではある辻斬り事件が横行していました。
- その犯人は、妖刀「紅桜」を持つ浪人・岡田似蔵(新井浩文)。彼はかつて銀時の盟友であった高杉晋助(堂本剛)が率いる「鬼兵隊」の一員でした。
- そんな中、銀時の友人である桂小太郎(岡田将生)が辻斬りに襲われ行方不明になったと、桂のペット・エリザベスが万事屋に助けを求めに来ます。
- 一方、銀時は刀鍛冶の村田鉄矢(安田顕)・鉄子(早見あかり)兄妹から「盗まれた名刀・紅桜を取り戻してほしい」という依頼を受け、別々に行動を開始します。
- 【転】
- 捜索の末、銀時は岡田似蔵と対峙しますが、人工知能を持ち使用者の身体能力を増幅させる妖刀「紅桜」の圧倒的な力の前に深手を負ってしまいます。
- 新八と神楽は、高杉たちの陰謀を探るため、敵の船に潜入。そこで彼らが目にしたのは、紅桜を量産し、江戸を火の海にしようとする鬼兵隊の恐るべき計画でした。
- 重傷を負いながらも立ち上がった銀時は、仲間を、そして江戸の町を護るため、決戦の地である空中の戦艦へと乗り込んでいきます。
映画『銀魂』が「ひどい」と言われる理由
検索候補に出てくる「ひどい」という言葉。しかし、その中身を見てみると、単なる批判だけではない『銀魂』特有の事情が見えてきます。
「ひどい」評価の真相は?ファンが語る評判
『銀魂』における「ひどい」は、しばしば「褒め言葉」として使われます。原作漫画やアニメでも、放送コードギリギリの下ネタや、他作品のパロディ、制作側の内輪ネタなどを乱発し、ファンから「公式が病気」「ひどい(最高)」と愛されてきました。
実写映画においても、その精神は遺憾なく発揮されています。福田雄一監督は、原作の持つ「くだらなさ」を真剣に再現することに注力しました。
例えば、橋本環奈さんが白目を剥いて鼻をほじるシーンや、中村勘九郎さんが全身ハチミツまみれになるシーンなどは、女優・俳優としてのイメージを崩壊させるほどの体当たり演技であり、これを見た観客が笑いながら「ひどい(よくやった)」と評価している側面が強いのです。
本当に「見るに堪えない」?具体的な内容を検証
もちろん、ネガティブな意味での評価も存在します。特に指摘されるのが以下の点です。
- CGやアクションのチープさ:
- ハリウッド大作のような重厚なVFXを期待すると、どうしてもチープに見えてしまう部分があります。特にシリアスな戦闘シーンでのCGの質感が、「コスプレ大会の延長」のように見えてしまうという意見もあります。
- パロディの過剰さ:
- 『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルや『風の谷のナウシカ』のパロディなど、著作権ギリギリのネタが多数登場します。これらが「悪ふざけが過ぎる」「内輪ノリについていけない」と感じる層には、単に「ひどい映画」として映ることもあります。
- キャラ崩壊:
- 原作ファンにとって、実写キャストの演技やビジュアルがイメージと異なると感じる場合、「解釈違い」として低評価につながることがあります。例えば、菜々緒さんが演じる来島また子の演技について賛否が分かれることもありました。
映画の分類:シリアス篇とギャグ篇で評価が分かれる理由
映画『銀魂』は、前半のギャグパートと後半のシリアスパート(紅桜篇)で構成されています。 福田監督の得意とする「ゆるい会話劇」や「シュールなギャグ」は、銀魂の日常パートと非常に相性が良く、高く評価されています。
一方で、後半の「紅桜篇」は原作でも屈指のシリアスで熱いエピソードです。ここで展開されるドラマやアクションにおいて、前述のチープさや、急なシリアス展開への切り替えがうまくいっておらず、「感情移入できない」「学芸会っぽい」という批判を生む原因となりました。 つまり、「コメディ映画としては100点だが、アクション映画としては賛否両論」というのが、「ひどい」という評価の複雑な内訳と言えるでしょう。
銀魂映画シリーズ「どこで配信」?見放題サービス完全比較
「ひどい」と噂されるその内容を自分の目で確かめたい、あるいはあの大騒ぎをもう一度見たいという方のために、主な動画配信サービスでの配信状況をまとめました。
主要VODサービス別:配信状況一覧表
2025年現在、実写映画『銀魂』シリーズ(『銀魂』『銀魂2』)を視聴できる主なサービスは以下の通りです。時期によって「見放題」か「レンタル(都度課金)」かが変わるため、登録前に必ず各サイトで最新情報を確認してください。以下は公開日現在の情報です。
- Amazon Prime Video:
- 実写映画『銀魂』『銀魂2』ともに見放題で配信されています。
- Netflix:
- 配信はありません。
- U-NEXT:
- 配信はありません。
- Hulu:
- 実写映画『銀魂2』がレンタルで配信されています。
- FOD:
- 実写映画『銀魂』『銀魂2』
無料トライアルで『銀魂』『銀魂2』を視聴できるのはどこ?
前述の通り、本記事公開日現在、『銀魂』『銀魂2』を伴に見放題配信されているのはAmazonプライムビデオです。
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『銀魂』の歴史:廃刀令とアマントの基礎知識
映画『銀魂』の世界観を理解する上で欠かせないキーワードが「廃刀令」と「アマント」です。これらを知っておくと、銀時たちがなぜ木刀を持っているのか、なぜ江戸に宇宙人がいるのかがより深く理解できます。
廃刀令とは?銀魂の舞台設定を理解する
史実の明治時代にも「廃刀令」はありましたが、『銀魂』の世界における廃刀令は少し事情が異なります。 天人(宇宙人)の襲来後、幕府は彼らの強大な力に屈し、開国を余儀なくされました。その際、天人たちは侍たちの反乱を恐れ、その力を削ぐために「廃刀令」を発令させたのです。
これにより、侍たちは魂である刀を奪われ、多くの者が武士としての誇りや職を失いました。主人公の坂田銀時が腰に差しているのは真剣ではなく、通販で買った木刀「洞爺湖」です。これは廃刀令下でも侍の魂を持ち続ける彼の反骨心の表れでもありますが、表向きはあくまで「お土産品」として所持していることになっています。
天人(アマント)とは?その存在が世界に与えた影響
「天人(アマント)」とは、宇宙からやってきた異星人たちの総称です。 彼らの襲来により、江戸の文明レベルは一気に現代以上にまで引き上げられました。チョンマゲを結った侍が歩く横で、宇宙船が飛び交い、高層ビルが立ち並び、携帯電話やテレビが存在する。この「江戸時代とSFが融合したカオスな世界観」こそが銀魂の最大の特徴です。
幕府は天人の傀儡政権となっており、街では天人が我が物顔で歩いています。しかし、かぶき町のように地球人がたくましく生きている場所もあり、異文化が奇妙に共存しているのがこの世界の面白さです。映画でも、特殊メイクによる様々な天人が登場し、画面の端々でその異様な世界観を作り上げています。
映画をより深く楽しむための世界観解説
映画『銀魂』では、この「天人に支配された江戸」という設定が、単なる背景美術だけでなく、物語の根幹に関わってきます。
- 攘夷志士:
- 天人の侵略に抵抗し、天人を排除しようとする侍たち。銀時や桂小太郎、高杉晋助はかつて「攘夷戦争」で共に戦った英雄です。
- 鬼兵隊:
- 高杉晋助が率いる過激派浪士集団。天人に屈した幕府、そして世界そのものを壊そうと画策しています。映画『銀魂』のメインヴィランとなる組織です。
- 真選組:
- 幕府所属の特殊警察。廃刀令下でも帯刀を許された数少ない組織で、テロリストである攘夷志士を取り締まります。銀時たちとは腐れ縁の関係にあります。
この「攘夷志士(かつての侍)」vs「幕府・天人」vs「真選組」という対立構造、そしてそこから外れた「万事屋」という立ち位置を理解しておくと、映画の人間関係がすんなりと頭に入ってきます。
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映画『 銀魂』に関するFAQ
最後に、映画『銀魂』を観る前、あるいは観た後に気になる疑問をQ&A形式でまとめました。
- Q1:映画『銀魂』は本当にひどいのですか?
- A1:ギャグの方向性が肌に合わない人や、重厚な時代劇アクションを期待した人には「ひどい」と感じられるかもしれません。しかし、原作のノリを再現した「良い意味でのひどさ(褒め言葉)」として楽しんでいるファンも多く、興行収入はその人気を証明しています。
- Q2:映画を見る順番は?
- A2:公開順に『銀魂』(2017年)→『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)と見るのがおすすめです。
- Q3:原作やアニメを知らなくても楽しめますか?
- A3:冒頭で世界観やキャラクターの丁寧(かつコミカル)な説明が入るため、予備知識なしでも十分に楽しめます。
- Q4:小栗旬さんの銀さんは合っていますか?
- A4:気だるげな雰囲気と、決める時のカッコよさのギャップが見事に再現されており、多くのファンから高評価を得ています。
- Q5:『銀魂2』は何の話ですか?
- A5:原作でも人気の高い「真選組動乱篇」と、ギャグ全開の「将軍接待篇」をミックスしたストーリーです。
- Q6:堂本剛さんの高杉晋助はどうですか?
- A6:監督が「剛にはギャグを一切させない」とこだわり、妖艶で危険なオーラを放つ高杉を見事に演じており、非常に人気が高い配役です。
- Q7:スピンオフドラマがあると聞いたのですが?
- A7:dTVオリジナルドラマとして、映画1作目公開時に『ミツバ篇』、2作目公開時に『世にも奇妙な銀魂ちゃん』が制作されました。映画と同じキャスト・スタッフで作られています。
- Q8:アニメ版の声優は出演していますか?
- A8:アニメ版とはキャストが異なりますが、映画の実写版にはアニメで声優を務めた声優が声の出演などでカメオ出演している場合があります(例:山田孝之さんがエリザベスの声を担当など)。
- Q9:主題歌は誰が歌っていますか?
- A9:1作目はUVERworldの「DECIDED」、2作目はback numberの「大不正解」です。
- Q10:映画オリジナルのキャラクターはいますか?
- A10:基本的には原作キャラクターが登場しますが、ストーリーの都合上、一部設定がアレンジされている箇所はあります。
- Q11:なぜ「完結」詐欺と言われるのですか?
- A11:これは主に原作やアニメ版の話で、何度も「終わる」と宣言しては終わらなかった経緯があるためです。実写映画版は「2」で一区切りついています。
まとめ
映画『銀魂』は、原作の持つパワフルでハチャメチャなエネルギーを、福田雄一監督と豪華キャスト陣が全力で実写化したエンターテインメント作品です。「ひどい」という評判は、そのあまりの突き抜け具合に対する「愛あるツッコミ」であり、同時にコメディとシリアスの落差に対する戸惑いの声でもあります。
しかし、小栗旬さんをはじめとするキャスト陣の再現度の高さや、恥じらいを捨てた体当たり演技は必見です。頭を空っぽにして笑いたい時、または豪華俳優陣の無駄遣い(褒め言葉)を楽しみたい時には、最高の映画と言えるでしょう。
- 「ひどい」は褒め言葉:原作リスペクトの「悪ふざけ」や「パロディ」が賛否を呼んだが、コメディ映画としての熱量は高い。
- 豪華キャストの競演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈ら主役級俳優が、変顔も辞さず全力でキャラクターを演じている。
- 配信で手軽に視聴可能:U-NEXTやAmazon Prime Videoなどの大手配信サービスで視聴可能。無料トライアルを活用するのも賢い方法。
- 世界観の理解:「廃刀令」や「天人(アマント)」の設定を知っておくと、物語の背景がより深く楽しめる。
- まずは1作目から:『銀魂』→『銀魂2』の順に見ることで、キャラクターの関係性や「万事屋」の絆の変化を楽しめる。
食わず嫌いはもったいない、日本映画界の常識を打ち破った『銀魂』の世界。ぜひ配信サービスで、その「ひどさ」をあなた自身の目で確かめてみてください。きっと、腹を抱えて笑えるはずです。


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