伝説の殺し屋ジョン・ウィックが、愛するものを奪われ復讐の鬼と化すシリーズの第2弾『ジョン・ウィック:チャプター2』。
2014年に公開され、全世界で驚異的なヒットを記録するとともに、主演のキアヌ・リーブスを再びスターダムへと返り咲かせた前作。「その前作のわずか5日後の出来事」を描く本作への期待値は尋常ではありません!
本作は、前作の倍の製作費(4,000万ドル)を投じられ、結果、興行収入も倍を実現。アクション、世界観、全てにおいて前作を凌駕する究極のエンターテイメントへと進化しています。
ニューヨークを舞台にした前作から、今作ではイタリアのローマへと舞台を広げ、さらに奥深く広がる「殺し屋の世界」の掟と組織が描かれます。
キアヌ・リーブスは今回もノースタンで、柔道・柔術の技をさらに多く取り入れた「ガン・フー Ver.2」に加え、殺人カー・アクション「カー・フー」、そして「ナイ・フー」を駆使して最恐の暗殺者として帰ってきました。
前作よりさらに絶望的な状況の中で、研ぎ澄まされた戦闘能力で生き残るジョンを好演しており、まさにハマり役となっています。
しかし、前作の設定を忘れてしまった方や、まだシリーズ未見の方もいるかもしれません。ご安心ください!この記事では、核心的なネタバレを徹底的に排除しつつ、前作の復習と、『チャプター2』で進化した見どころ、そして物語を深くする「殺し屋コミュニティ」の魅力的なルールを網羅的に解説します。
アクション好きなら絶対に抑えておきたい、「頭を空っぽにして楽しめるエンタメ作品」の最新情報。さあ、伝説の殺し屋VS世界中の殺し屋という壮絶な復讐のバトルロワイヤルの予習を始めましょう!
- 結末を伏せたまま、進化したアクションや世界観の魅力を予習できる。
- 前作未視聴や忘れてしまった状態でも、物語についていけるための情報を確認できる。
- 視聴時間の投資に見合う面白さか、評判や見どころから判断できる。
なお、『ジョン・ウィック』シリーズについては、こちらの記事もどうぞ。

ジョン・ウィックシリーズをより理解できる動画解説♪
キアヌ・リーブス主演『マトリックス』が大好きな筆者 taoは、この『ジョン・ウィック』シリーズも『マトリックス』と同じくらい熱狂的に好きです。
そんな、『ジョン・ウィック』シリーズを、より理解してもらうために動画解説を作りました。
これは、Notebook LMというAIで作りました。ちなみに、Notebook LMは、動画を作る際、最新の動画生成AI「nano banana」を使っています!
9分弱の動画です。これを見ていただいてから本記事を読むと、今すぐ『ジョン・ウィック』シリーズが見たくなるでしょう。
動画解説中、若干の読み違いがありますが、ご了承ください。
【動画解説】
『ジョン・ウィック:チャプター2』鑑賞前に!前作のあらすじを3分で復習
『ジョン・ウィック:チャプター2』は、前作『ジョン・ウィック』の出来事からわずか5日後から物語がスタートします。本作を最大限に楽しむために、まずは前作の重要なプロットと世界観を振り返りましょう。
伝説の殺し屋が引退し、復帰した「悲しい理由」
主人公ジョン・ウィックは、かつて裏社会で「ババヤガー(スラヴ民話の魔女)」や「ブギーマン(闇の者)」などと呼ばれ恐れられた伝説の凄腕殺し屋でした。彼は、どんな不可能な暗殺も成し遂げ、「3人の男を鉛筆1本で殺した」という数々の伝説を残しています。
しかし、ジョンは最愛の女性ヘレンと出会い、平穏な生活を望んで裏社会から5年前に引退。その引退を果たすため、彼はイタリア系マフィアのサンティーノ・ダントニオに助力を求めるという「貸し」を作り、その証として「誓印(せいいん)」という血の契約に基づくメダルを交わしました。
物語は、最愛の妻・ヘレンが病で亡くなり、ジョンが生きる希望を失ったところから始まります。
亡き妻が残した一匹の子犬(デイジー)が彼の新たな希望となりつつあった矢先、ロシアンマフィアのボスの息子ヨセフらに自宅を襲撃され、愛車を奪われた上、子犬の命まで奪われてしまいます。
ジョンは、わずか数日のうちに大切なものを失い、その怒りと悲しみから、復讐のために再び裏社会へ舞い戻ることを決意します。
キーワードは「犬」と「車」!これだけ知れば大丈夫
ジョン・ウィックの復讐の原動力は、愛犬デイジーと愛車フォード・マスタング・BOSS429でした。
前作のクライマックスでロシアンマフィアへの復讐を終えたジョンは、動物病院から連れ出したピットブル犬を新たな愛犬とし、再び隠遁生活に入ります。
『チャプター2』の物語は、前作で大破した愛車フォード・マスタング・BOSS429を、ヴィゴの弟アブラム・タラソフのアジトから力ずくで奪い返すところから幕を開けます。
ヴィゴとは前作でジョンが仕留めたロシアンマフィアのボス。ジョンは一時期、ヴィゴの配下でもあり、かつ、友人同士でした。
さて、この冒頭シーンの愛車を取り戻すシーンでは、車を豪快に破壊しながら敵を次々倒す、新感覚アクション「カー・フー」が早くも炸裂します。
ボロボロになった愛車を、旧友である修理工のオーレリオに託した後、ジョンは次の試練に直面します。
この「犬」と「車」は、ジョンが「普通の世界」と繋がるための最後の象徴であり、本作でもジョンの「怒りの導火線」として重要な役割を果たすことになります。
裏社会が恐れる「バーバ・ヤーガ」の凄みとは?
ジョン・ウィックの復讐劇が進む中で、殺し屋コミュニティの存在が明らかになります。
彼らが使用する独自の金貨(コイン)、そして殺し屋専用の会員制ホテル「コンチネンタル・ホテル」といったユニークな設定が、このシリーズの世界観を特徴づけています。
コンチネンタル・ホテルは、世界中にチェーン展開し、宿泊はもちろん、武器や情報の調達、死体の処理までサポートする巨大な秘密機関ですが、「ホテル内での殺しは御法度(ごはっと)」という絶対的な掟が存在します。これを破った者は、オーナーであるウィンストンによって容赦なく粛清されます。
ジョン・ウィックは、その圧倒的な戦闘能力と、掟を知り尽くした上で戦う知恵を持ち合わせているからこそ、裏社会に「バーバ・ヤーガ(魔女)」や「ブギーマン(闇の者)」として恐れられているのです。
『ジョン・ウィック:チャプター2』進化した見どころ解説【ネタバレなし】
アクション映画の限界突破!
『ジョン・ウィック:チャプター2』は、すべてにおいて前作を凌駕するスケールアップを果たしました。
監督のチャド・スタエルスキは、キアヌ・リーブスの『マトリックス』時代のスタントダブルを務めていた盟友であり、今作もノースタントでのアクションを追求しました。
今作のアクションは、前作で話題となった「ガン・フー」のさらなる進化に加え、映画の序盤で繰り広げられる、フォード・マスタングを豪快に破壊しながら敵を次々と倒す殺人カー・アクション「カー・フー」が大きな見所の一つです。
また、スタエルスキ監督は、子供のときから楽しんできた映画にこの作品を捧げたいという想いを込めて、アクション映画へのオマージュを随所に散りばめています。特に、クライマックスの鏡張りの部屋でのファイトシーンは、『燃えよドラゴン(1973)』からの影響であると監督自身が公言しています。
キアヌ・リーブスは、今回も前作よりさらに絶望的な状況の中で、研ぎ澄まされた戦闘能力で生き残るジョンを演じています。
銃×カンフーの融合「ガン・フー」のキレが増した理由
シリーズの代名詞である格闘術「ガン・フー」は、今作で柔道・柔術技の割合をさらに多くした「ガン・フー Ver.2」へとパワーアップしました。前作同様に、ジョナサン・エウゼビオが振付けを担当しています。柔道や柔術の技が組み込まれたことで、至近距離での格闘と銃撃が、より一層シームレスで美しい殺人術として描かれています。
このアクションの説得力を支えているのが、主演キアヌ・リーブスの徹底的なトレーニングです。彼は、競技射撃のチャンピオン、タラン・バトラー氏が立ち上げたカスタムガンワークスTTI(Taran Tactical Innovations)で、30,000発超の実弾射撃訓練を含む、何十時間もの厳しい訓練を積みました。
ジョンが使用するハンドガンは、TTIカスタムのグロック G34やグロック G26など、競技向けにカスタマイズされた銃器です。特に注目すべきは、ジョンが複数の銃を扱う際や、ライフルを撃ち尽くした後にショットガンをリロードする際の戦術的で無駄のない動きです。彼のガンハンドリングは非常にスムーズで、「研ぎ澄まされたプロの殺し屋」としての恐ろしさとプロ意識を印象づけています。
伝説の「鉛筆」シーンがついに映像化?
前作で、ロシアンマフィアのボス・ヴィゴが「奴は鉛筆一本で3人殺した」と、ジョンの恐ろしさを語るシーンは、多くのファンに強烈な印象を残しました。
『ジョン・ウィック:チャプター2』では、サンティーノがジョンに700万ドルの懸賞金をかけ、ニューヨーク中の殺し屋から命を狙われる中で、なんとその「鉛筆を使った格闘シーン」が実際に描かれます。このシーンは、このシリーズが追求する「リアリティよりも様式美やカッコよさ」という嗜好を象徴する、ファン待望の瞬間です。鉛筆という日常の道具を、ジョンがいかに恐ろしい武器として扱うのか、その「伝説の具現化」は必見です。
ローマのカタコンベで繰り広げられる戦術的リロード
「決して断ることのできないミッション」を受けたジョンは、舞台をイタリアのローマへと移し、地下墓地(カタコンベ)での激しい銃撃戦に巻き込まれます。
このカタコンベのシーンは、キアヌ・リーブスが「体力的にきつかった」と語るほどの大がかりなもので、ジョンは複数の銃を扱う高度な戦術的リロードの技術を披露します。
彼は、TTIカスタムのAR(TR-1)や、ベネリのセミオートショットガンM4 Super 90のTTIカスタムなど、長物を駆使し、銃を持ち替えることで戦い方を変え、長いアクションシーンでも観客を飽きさせません。
特に、銃撃戦の最中にジョンが敵から奪った銃をチェックする際に見せる、マガジンに硬貨を入れ、初弾を装填した後に薬室確認を行う一連の動作は、プロフェッショナルな暗殺者としてのジョンの飽くなき向上心と、細部にまでこだわった監督の演出が光る瞬間です。ショットガンの銃声が地下空間に響く様子も「見事な光景」として、キアヌと監督が共に気に入っているシーンです。
物語を彩る「殺し屋の世界観」と魅力的な登場人物
絶対の掟「コンチネンタル・ホテル」と誓印のルール
『ジョン・ウィック』シリーズの大きな魅力は、その緻密な裏社会の設定です。
この世界の中心である殺し屋専用の会員制ホテル「コンチネンタル・ホテル」は、発祥地がローマであり、『チャプター2』では、ニューヨークに加え、ローマのコンチネンタル・ホテル(本店)が登場します。オーナーのウィンストン(イアン・マクシェーン)やコンシェルジュのシャロン(ランス・レディック)といった前作の主要登場人物が再集結しました。
コンチネンタルの最も重要な掟は「ホテル内での殺しは厳禁」という絶対的なルールであり、これを破った者には粛清が待っています。この掟が、ジョンと敵対するジアナの護衛カシアン(コモン)との間で一時的な休戦を生み出すという、ユーモラスかつ緊張感のある場面を生み出します。
また、今作のプロットを駆動させるのが「血の誓印(マーカー)」という掟です。これは、殺し屋同士が交わす恩義の契約の証であり、契約者は持ち主の依頼を一度だけ拒否できないという絶対的な義務を負います。ジョンは引退するためにサンティーノにこの「貸し」を作ってしまい、その呪縛から逃れることができず、すべての面でパワーアップした絶望的な状況に追い込まれることになります。
男心をくすぐる「ソムリエ」による武器テイスティング
ローマに潜入したジョン・ウィックは、現地のコンチネンタル・ホテルで、裏社会特有のユニークなサービスを利用して任務の準備を進めます。
その中でも特に男心をくすぐるのが、「ソムリエ」です。彼はワインではなく銃器のプロであり、ジョン・ウィックの要望(テイスティング)に応じて、用途に合ったさまざまな銃器を差し出し、的確に説明します。
さらに、イタリアの裏社会の仕立て屋、アンジェロ(ルカ・モスカ)が登場し、実弾が貫通しない超高性能の防弾スーツをジョンのために仕立てます。このスーツは、ミリ単位のフィッティングを経て、キアヌ・リーブスのアクションに支障をきたさないよう、動きやすさが考慮されています。
また、この殺し屋コミュニティの情報網は、黒電話、タイプライター、ジャックコードといったレトロな機器が並ぶ「管理部」のオペレーションによって支えられています。この時代錯誤なアナログな描写は、この世界が現実世界から離れた、まるで「グラフィックノベル」のような歪な世界観であることを際立たせています。
キアヌだけじゃない!コモンやルビー・ローズの存在感
『ジョン・ウィック:チャプター2』では、豪華な新キャストが多数参戦し、物語を彩ります。
- カシアン(コモン):
- イタリア系マフィアのジアナの護衛であり、ジョン・ウィックとは旧友かつ互角の腕を持つ暗殺者です。敬愛するジアナを殺されたことで、ジョンへの復讐に燃えます。ラッパーとして知られるコモンが、その存在感を放っています。
- アレス(ルビー・ローズ):
- サンティーノのボディガードを務める女暗殺者です。聾唖(ろうあ)の役柄を、オーストラリア人モデルのルビー・ローズが手話で会話しながら怪演し、ジョンを追い詰めます。
- バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン):
- ニューヨークの地下犯罪情報組織を率いる「王」です。彼は普段、ホームレスを装って活動しており、ジョン・ウィックとは、彼が過去に命を見逃したという因縁があります。キアヌ・リーブスとは『マトリックス』以来の共演となり、ファンにとっては最大の注目ポイントでしょう。
- ジュリアス(フランコ・ネロ):
- マカロニ・ウェスタンの名優で知られるフランコ・ネロが参戦しています。彼はローマのコンチネンタル・ホテル(本店)のオーナー兼支配人であり、ジョンの旧友として登場します。
結局どうなの?『チャプター2』は前作を超える面白さか
アクション密度は前作比2倍!圧倒的な爽快感
『ジョン・ウィック:チャプター2』は、アクション密度が前作から大幅に増量されました。前作の倍の製作費が投入され、公開8日間で前作の興行収入を上回る1億7,153万ドルという全世界興行収入を記録しました。
本作は、「ガン・フー Ver.2」の進化に加え、冒頭の激しい「カー・フー」、ローマの地下墓地での銃撃戦、カシアンとのナイフを使った格闘、そしてクライマックスの鏡の部屋での死闘など、ありとあらゆるアクションが詰め込まれています。
特に、殺し屋同士が礼儀を重んじつつ死闘を繰り広げる展開は、格闘家やプロレスラーからも「究極のハードコア・アクション」や「男の色気満載」と絶賛されており、圧倒的な爽快感はシリーズ最高潮に達しています。
ストーリーはシンプルだが「沼」は深い
本作のストーリーは「シンプル」に徹しており、壮絶な復讐劇から一転、「誓印」という掟によって否応なく裏社会に引き戻されたジョンが、裏切りにより全世界の殺し屋を敵に回すという展開です。
物語の根幹は単純かもしれませんが、その魅力は、「主席連合」や「コンチネンタル・ホテル」といった、緻密に設定された「裏社会の掟とルール」にあります。これらの設定は、観客を現実離れした歪な世界観へと引き込み、ジョン・ウィックが「掟とそこから逸脱せざるを得ない運命」という「深い沼」に嵌っていく様子を描写しています。この世界観の広がりこそが、本作が批評的にも経済的にも成功を収めた大きな要因です。
この映画が向いている人・向いていない人
この映画が向いている人
- キアヌ・リーブスのノースタントアクション、特に進化した「ガン・フー」や「カー・フー」に期待している人。
- リアリティよりも様式美やカッコよさを重視し、頭を空っぽにして圧倒的な爽快感を求めている人。
- 「殺し屋コミュニティ」の緻密でユニークな設定や、裏社会のロマンあふれる掟を楽しむことができる人。
- ハードボイルドな男の悲哀を感じたい人。呪縛から逃れられず、世界を敵に回すジョンの状況に感情移入できる人。
この映画が向いていない人
- 緻密で複雑なサスペンスや、深い人間ドラマを期待している人。物語はアクションのための乗り物と感じる可能性があります。
- 銃撃戦や暴力描写に対して抵抗がある人(本作はR15+指定です)。
- アクションが過剰だと途中で疲れてしまう人。アクション要素は前作の倍以上詰め込まれています。
『ジョン・ウィック:チャプター2』に関するFAQ
- Q1. 『ジョン・ウィック:チャプター2』は、全4作あるシリーズの中でどのような評価を受けていますか?
- A1. シリーズは続編ごとに興行収入を伸ばしている傾向があり、本作(チャプター2)は全世界で1億7430万ドルを記録し、公開8日間で前作の興行収入を上回る大ヒットとなりました。シリーズファンの中には「パート2が一番好きだと思うし、特にエンディングは完璧だと思う」という意見もあります。批評家支持率は89%、観客支持率は85%と高評価を得ています。
- Q2. 主演のキアヌ・リーブスは、この役を演じるためにどのようなトレーニングを行いましたか?
- A2. キアヌ・リーブスは、本作のために柔道・柔術のトレーニングを基礎からさらに進んだ状態で取り組み、特に複数の銃を扱う方法を重点的に訓練しました。彼は、競技射撃のチャンピオンであるタラン・バトラー氏のTTI(Taran Tactical Innovations)で、30,000発超の実弾射撃訓練を含む、何十時間ものトレーニングを行っています。
- Q3. ジョン・ウィックの代名詞である「ガン・フー」は、どのような映画から影響を受けていますか?
- A3. 「ガン・フー」は、銃(Gun)とカンフーを組み合わせた造語で、もともとはジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』(1986)などの香港映画におけるガンアクションを指す言葉でした。本作では、軍隊式の格闘に実用的射撃術を組み合わせた「ありえそうな」レベルにまで発展させ、『マトリックス』(1999年)などの影響も受けています。
- Q4. キアヌ・リーブスとローレンス・フィッシュバーン(バワリー・キング役)の共演は、ファンにとってどのような意味がありましたか?
- A4. 二人が共演するのは、キアヌ最大の出世作『マトリックス』シリーズ(特に『マトリックス レボリューションズ』)以来の待望の邂逅であり、大きな注目ポイントでした。監督のチャド・スタエルスキも、この再会を「魔法みたいな出来事」と語っています。
- Q5. ジョン・ウィックは、今作で何人殺しましたか?
- A5. 殺害人数を示す「キル・カウント」の特典映像が特典ディスク(コレクターズ・エディション)に収録されていますが、ある情報では、1作目では85人、2作目では119人、3作目は167人であったとされています。
- Q6. 監督のチャド・スタエルスキはどのような経歴を持つ人物ですか?
- A6. チャド・スタエルスキ監督は、もともとスタントマンとしてキャリアを重ね、『マトリックス』シリーズではキアヌ・リーブスのスタントダブルを務めました。彼は日本の映画、特に千葉真一さん、三船敏郎さん、黒澤明監督などの影響を多分に受けており、キアヌとの固い信頼関係から『ジョン・ウィック』で監督デビューを果たしました。
- Q7. ジョン・ウィックが着用するスーツに裏話はありますか?
- A7. ジョン・ウィックのスーツは、内芯に防弾素材を使った超高性能の防弾ボディーアーマーです。アクション撮影のために、衣装チームは数えきれないほどのフィッティングを重ね、動きやすいように脇や股にマチを入れ、膝パッドやひじ当てを内蔵するなど、用途に合わせて終わりが見えないほどの大量のスーツを準備する必要がありました。
- Q8. 撮影地であるローマの街並みにもこだわりがあったのですか?
- A8. 監督は、黒いクラシックスーツが似合う街としてローマを選んだと語っています。その狙い通り、ジョンがローマの街を歩く姿は非常に様になっています。イタリアの俳優フランコ・ネロ(ジュリアス役)や、イタリア系マフィアのボス、サンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)といった国際色豊かなメンバーが映画を彩っています。
- Q9. 『ジョン・ウィック:チャプター2』には、音声解説は収録されていますか?
- A9. はい、ブルーレイ等のソフトには、チャド・スタエルスキ監督と主演のキアヌ・リーブスによる対話形式の音声解説が収録されています。キアヌは全編で音声解説を担当しており、アクションシーンが決まると「Oh!!!」と言ったり、自分のアクションがいまいちだと「あれは良くなかった」と正直に認めたりする様子が楽しめます。
- Q10. 『チャプター2』の劇中を彩る音楽にはどのようなものがありますか?
- A10. 音楽はタイラー・ベイツとジョエル・J・リチャードが担当しています。挿入曲には、ローマのコンチネンタル・ホテルのラウンジで流れるドメニコ・ツィポーリのバロック音楽や、美術館のパーティーで演奏されるフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲など、クラシック音楽が使われています。一方で、銃撃戦ではル・キャッスル・ヴァニアの「John Wick Mode」といったエレクトロニック・ダンス・ミュージックが流れます。
- Q11. シリーズの続編やスピンオフの予定はありますか?
- A11. 本作公開後、第3作『ジョン・ウィック:パラベラム』、第4作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が公開されました。さらに、前日譚のテレビシリーズ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』(2023年)や、スピンオフ映画『バレリーナ:The World of John Wick』(2025年公開済み)など、その勢いはとどまることを知らず、メディア展開が広がり続けています。
- 耳寄り情報ですが、最新作『バレリーナ:The World of John Wick』が早くも2025年12月9日には、Amazonプライムビデオでレンタル&販売開始。そして、来年1月16日には見放題作品として配信されることが決まっています。それまで、Amazonプライムでシリーズ4作を復習しておきましょうね!
まとめ
『ジョン・ウィック:チャプター2』は、前作の成功を受けて製作され、アクション、世界観、興行収入の全てにおいて前作を凌駕した大ヒット作です。アメリカをはじめとする世界で公開されるや大ヒットを記録し、前作とほぼ同規模公開でありながら、公開8日間で前作の興収を上まわっています。
物語は、愛車を取り戻したジョン・ウィックが、かつて引退のために交わした「誓印」という血の契約に縛られ、イタリア系マフィアのサンティーノが仕掛けた姉殺しの依頼と、その後の裏切りにより、7億円の懸賞金をかけられ全世界の殺し屋を敵に回すという壮絶なバトルロイヤルが描かれます。
本作の最大の魅力は、キアヌ・リーブスがノースタントで披露する、柔道・柔術技を多く取り入れた「ガン・フー Ver.2」の進化です。競技射撃の訓練を重ねた彼の流れるようなガンハンドリングは、「鉛筆」の伝説の具現化や、ローマのカタコンベでの戦術的リロードなど、アクションの様式美を極限まで追求しています。
また、裏社会の掟であるコンチネンタル・ホテル、武器をテイスティングするソムリエ、防弾スーツを仕立てる仕立て屋など、男心をくすぐるユニークな設定が、物語の「沼」のような深みを生み出しています。
キアヌ・リーブスとローレンス・フィッシュバーンの『マトリックス』以来の共演、そしてコモン、ルビー・ローズらの強力な敵役の存在感も際立っており、頭を空っぽにして、ひたすらスタイリッシュなアクションに酔いしれたいファンにとって、最高のエンターテイメントとなることは間違いありません。この勢いはとどまることを知らず、すでに『3』の製作だけでなく、前日譚のドラマ化やゲーム化といったメディア展開も噂されています。「ジョン・ウィック旋風」が再び日本でも巻き起こることは間違いないでしょう。
この記事のポイント
- 『チャプター2』は前作の5日後から始まり、「誓印」の掟に縛られたジョンが世界中の殺し屋を敵に回す。
- キアヌはノースタントで、「ガン・フー Ver.2」や「カー・フー」などアクションが大幅に進化。
- 「鉛筆シーン」の映像化や、ローマでのアクションなど、ファン待望の見どころが満載。
- 「コンチネンタル・ホテル」や「武器ソムリエ」など、裏社会のロマンあふれる世界観がさらに深く描かれる。


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